胃カメラとは

「胃カメラ」という名前は通称で、「内視鏡」と呼ばれる医療機器のひとつです。先端に超小型のカメラと光源がついた柔軟な管を、胃などの消化器官に入れ、手元で操作して写真を撮影する形のものでした。今では、先端はレンズと光源のみで、ファイバーによって手元に画像を表示・撮影するファイバースコープに変わっています。したがって、今は「胃カメラ」ではないのですが、今でも「胃カメラ」の名前はなくなりません。

この胃カメラは、杉浦睦夫らによって、世界で初めて開発されました。以下の写真は初期の胃カメラです。

ウィキペディア 「内視鏡
コトバンク 「胃カメラ


初期の胃カメラ全体 (手前の大きい部分が操作用グリップ)
(杉浦研究所蔵)


胃カメラの先端 – レンズとランプ (杉浦研究所蔵)


胃カメラ撮影の原理 (細いフィルムを先端に入れ、三味線の糸で巻き上げる。レンズにシャッターはなく、暗い胃の中でランプが光ると写真が写る仕組み。)
(『FUJITSU飛翔』第36号(1999年11月20日富士通株式会社発行)より (Copyright (C) 1999 by FUJITSU Ltd. 禁無断転載)


1. キャップ、2. マガジン、3. フィルム、4.  フィルムリーダー、5. 光源ランプ、6. リングナット、7. レンズ

なお、その後ファイバースコープが開発されるにともない、写真フィルムを使った胃カメラは次第に使われなくなり、2011 年前後にほぼなくなりました。ファイバースコープは「カメラ」ではありませんが、いまでも「胃カメラ」という愛称で呼ばれています。